
ある若者のある恋の話をしようと思う。
まだ為初めし青い恋の物語である。
いつの時代も、ちまたに恋があふれているらしい。
しかし果たして、それが真の恋かどうか、いったい誰が知り得るのだろうか。
かのプラトンはともかく、ゲーテにツルゲーネフにハイネにバイロンに、
ランボーとボードレール、ジュネもワイルドも!
時代を超えて恋の格言とやらを残した多くの偉大な先人たちだって、
若かりしころは、いや年を重ねても、
恋という甘い響きにきっと惑わされ、翻弄されたにちがいないのだ。
そしてこの物語の渦中の彼らもまたそうだ。
どれ、もの語りのついでにその恋の格言とやらを検分してみようか?
まずは、沙翁のこの言葉はどうだ?
真の恋をするものは、
みな一目で恋をする
(シェークスピア)
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